温かく伝わる「私は仕事でしています」

2022/06/14

「わる」というドラマを見て感動した。

小さい子どもが2人いる女性が、企業に勤めていて

仕事を認められ、任されるようになっていく。

 

ところが大事な取引先との約束の日、

子どもが熱を出した、と保育園から連絡があった。

約束を断って、迎えに行かなければならない。

そこに、病児保育で預かってもらえばいい、という

案が出され、預けて、取引先に向かった。

 

商談はうまくいき

子どもを迎えに行って、抱き締めたとき

涙が込み上げた。

病気の子どもに、こんな思いをさせてまで

と揺れたようだ。

 

保育士さんに、

「きょうは本当にすみませんでした」と謝った。

そしたら保育士さん

「謝らないでください。私だって仕事でやってるんですから」

と言う。

 

私は、以前、この言葉と同じ言葉を

ひとりの車いすのお母さんから聞いた。

子どもを保育園に預けに行くと

毎朝、保育士さんが、門のところまで来てくれる。

門の手前に数段の階段があり、お母さん登れないから。

 

ほかの親は抱いて入って行くのに、自分の子だけ

毎朝、表まで迎えに来てくれる保育士さんに

いつも「すみません」と言っていたら

ある日

「謝るのは、もうやめてください」と言われた。

 

この言葉に続いた「仕事でしていることなので」

という言葉、私には冷たい言葉に聞こえた。

謝る必要はないと思う。

でも、まるで割り切っているようにも思え

お母さんに、そう言った。

 

お母さんの受け取り方は、まったく違った。

「すごく嬉しかった」と。

 

もう何も返せなかったが、あのときの私の理解は

不完全だったと思う。

迷惑行為をしなくても、迷惑かけているようであったり

日々、人に謝りながら子育てする身にならなければ

分かり得ないだろう。

 

ドラマでは、このあと

分かりやすい言葉が、保育士さんから返ってきた。

「むしろ嬉しかったですよ。

この仕事が、頑張っているママを支えているんだなーって。

必要とされて嬉しいのは、私も同じです」

 

スバラシイ。

保育士の給料、もっと上げないとーー