思い出の色をもう一度塗り替えようと思った
2022/09/30プリンターが壊れたので、ヨドバシカメラに行った。
ここは大阪駅の前にある、大きな商業施設。
ダンナが、関係のない知らないお店に引き寄せられ
店員さんと話し始めた。
「うわ、懐かしいわ、オープンしたん?」とか。
私は、置かれているボトルを見て、ドキッとし
あの頃のことが、わーっと蘇った。
ダンナが好きな、直輸入のワインで、
あの日も、私は
「高いわ」と小声で言い、止めようとしたが
「お祝い、お祝い」とダンナは浮かれて、箱買いした。
あゆみがもうすぐ生まれるお祝い。
生まれてすぐには飲めないので
卒乳したとき、さっそく開けた。
めっちゃ美味しかった。
誕生日にも開けた。
でも、これが最後。
あとは放置し、すっかり味が変わってしまい
捨てた。
だから、私はもう買うつもりはないし
見るのも、つらい。
ところが、ダンナが
「試飲すれば? 俺、車やし」と、しつこく、
店の人はグラスについでしまい
私、しぶしぶ一口。
(わ、めっっちゃ旨い)
私は、スーパーなどでも試食はしない。
したら買うから。
なのに、口車に乗せられて、試飲してしまった。
買うしかないじゃないか。
試飲したから、というのは本当の理由でなく
一口、二口、飲みながら考えた。
先日、東京のつどいで
思い出の場所に行く・行けない、が話題に出て
私は「行けない」派だったが、
行く人の話を聞いて、「私も行けるようになりたい」
と思った気持ち、ただ持ったままだった。
実行に移すなら、今だ、
と思ったのだ。
いい思い出まで、つらい色に塗り替えてしまったが
もう一度、
いい色に塗り替えてみよう、と思った。
何でも、かんでも、あゆみに結び付けて
悲しい色に染めて、放置
というのが私の常とう手段になっていたが
今からでも、
良かったことや、好きだったもの
たぐり寄せてみようかな、と思えた。
思い出の場所にも、近いうちに行ってみたい。