スーパーのレジ待ちで身につまされた

2022/12/06

きょうスーパーに買い物に行って、

不安な気持ちと、温かい気持ちの、両方を感じたあと、

やりきれない気持ちに留まった。

 

レジを並んでいるとき、

前の人が、いっぱい買い物していて、

かごの中には、小さい鏡餅が3つ。

 

一人暮らしかなあ。

部屋ごとに置くのかな?

風物詩を大事にする暮らし、いいものだなあ。

私は、相変わらず、いまだに

鏡餅も、しめ縄も、ないままだ・・

 

勝手なこと考えながら、待っていたが、

なかなか進まない。

 

レジの人が、ぜんぶ袋に、入れてあげているからだ。

そのお客さん、腕を骨折しているらしく、

三角巾で首から吊っている。

体が不自由な人に、店員さんが親切なのは

時間がかかっても、気持ちがいい。

 

それにしても、こんなにも買い物して

片手で持てるのか、心配になってきた。

このあと私のドキドキが始まる。

 

ぜんぶ袋に詰め終えてから

店員さんが告げた金額は、

八千円を超えていた。

 

お客さんは、端数から揃え始めた。

片手だから、小銭がうまく摘まめない。

すぐに落としてしまう。

拾うのに手間取りながら、摘まんでは、落とす。

店員さんは、カウンターから出て来て、床を探す。

けれども、手渡すなり落とす。

私も、次に落とした際の体勢に入っていた。

 

どうにか、店員さんが手伝って

端数の小銭が揃ったところで

次は八千円。

 

シーン

 

店員さんと、私、かたずを呑む。

 

ついに店員さんが口火を切った。

「お札は?」

出されたのは、千円札が1枚。

店員さん「あと七千円・・・」

お客さん、?????

 

あーーー

アカン。つらい。

私は、横のレジの、長い列の最後に並び直した。

 

少し聞こえてくる店員さんの穏やかな声、

「じゃあ減らしましょか。どれ減らしますか?」

 

そっちを見なくても、状況が目に浮かぶ。

「ここにぜんぶ出してみますね」

 

さっき、丁寧に袋に詰めたものを

ぜんぶレジの台に広げて、

「これは、きょう食べるためですね?」

ということまで尋ねている。

そうだね、きょう食べるものが必要でしょう。

 

結末を見届けることなく店を後にしたが、

もっとも衝撃だったのは、

そのお客さんが、

それほど年を取っていなかったこと。

 

おそらく、最近まで、その人には

普通の暮らしがあったのだと思う。

つい先日まで・・・