「もっとつらいつらい時期があったと思い出し」

2023/03/25

水泳選手の池江璃花子さんが、

きょう大学を卒業された。

池江さんは、東京オリンピックで活躍が期待されていた中

白血病を発症。

すべての活動を中断して療養に専念し、

その闘病は過酷なものであったことが

伝えられていた。

 

闘病中に日本大学に進学し、

退院後は、また好成績をおさめ

オリンピック出場を果たしている。

 

病気を克服するだけでも大変なことなのに、

長いブランクを経て、世界を舞台に活躍できるなんて

彼女の頑張りと、忍耐強さに、

どれほど多くの国民が感動しただろう。

 

彼女の4年間の学生生活は

誰も経験したことのないものだったが、

振り返って、

「充実していた」とご本人は言っている。

 

併せてこんなコメントが出された。

「つらくなったら、

もっとつらい時期があったと思い出して、

前に進みたい」と。

 

この言葉、普段私が耳にしている

子どもを亡くした親たちの口から出る言葉と似ている。

「この先、どんなにつらいことがあっても

あのつらさ以上のことは、ないでしょう」

 

私の身近にいる親たちは、

とても傷ついているが、

実は、怖さ知らずと言えるほど

肝が据わっているところがある。

 

池江さんと同じように

人が経験しないような困難のなか

生きた人たちだから。