12才の一人息子さんを亡くされた作家

2023/07/21

作家の高史明さんが亡くなったことを

新聞の記事で知った。

老衰で、91才だった。

 

私が高氏を知ったのは、1冊のご本で、

一人息子さんを自死で亡くされていた。

そのお子さんは、12才だった。

 

当時、私は、

「いのちを考える」という講座に携わっていた。

この方ほど「いのち」と向き合い、命について

深く考えてきた人はいないのではないだろうか

と思って、講演のお願いをしたところ

快く引き受けてくださった。

 

80才を越えておられ、関東から大阪まで

申し訳ない思いがしたが、

奥様もご同行くださるとのことだった。

お会いできたとき、感激したのだけれど

あいにく、「耳が聞こえませんので」と言われて、

会話はほとんどできなかった。

 

奥様とはお話しができ、

聡明なかただなあと思った。

お子さまを幼くして亡くされたお母様だが

その話をするために会ったのではなかったので

あえて話題は控えさせていただいた。

 

講演は、「いのち」について語っていただくもので

できるだけ分かりやすくお願いしていたが

耳が遠いから伝達が上手くいかなかったのか

宗教学の講演となり、私には高尚すぎて

ほとんど理解は及ばなかった・・・

 

学問を究めるとは、すごいことだ。

学校は、尋常高等小学校を中退でありながら

博識をもつ作家で

作品は何冊か読ませていただいたが

また1冊、2冊、買って読みたいと思う。

 

ところで記事では、

喪主は編集者となっていたが

奥様はご健在なのだろうか。

調べても出てこないが、気になる。