直接お礼が言えなかったときの感謝

2023/10/05

当会が医療従事者を対象に行っている

グリーフケア交流講座で、次回は参加している会員さんに

それぞれ経験した「ちょっとした配慮」

について話してもらう。

 

メインの発表者の発表のなかに

ICUで、夜、パイプ椅子に座って付き添っていたら

夜勤の看護師が、

足を上げるだけでも楽になりますよ、と

もう1つパイプ椅子を持って来てくれて

床に置いていたかばんを、その椅子に掛けてくれた。

というくだりがある。

 

大きな配慮も必要とするし、有り難いが、

医療者が何もできないような状況であれば

小さい配慮がうれしく思えることがある。

そう思って、皆さんにも尋ねてみることにした。

 

私にもそういう経験がある。

ICUでは付き添えなかったので、廊下の長椅子にいた。

眠ってしまうと、あゆみの力になれないような気がし

ずっと起きているつもりで座っていたのに、

2晩目は、眠ってしまった。

 

深夜に、あかん!と思って目を覚ますと、

少し離れたところに、毛布が置かれていた。

近くまで来ず、体にかけなかった意図がくみ取れた。

起こさないように

寝かせてあげよう

 

眠っちゃいけない、という縛りを解き

素直な気持ちで毛布を借りて横になった。

朝になって、ナースステーションに返しに行ったが

誰が置いてくれたのか、わからないので

直接お礼が言えていない。

 

感謝の言葉を伝えられないような

そっとしてくれる思いやりの行動を

私はとても素晴らしいものと思うようになった。