名前を聞いてくれるだけでも嬉しかった

2024/01/05

ドラマでは、家族が亡くなったシーンに

大抵違和感があり、

よくテレビに向かってぶつぶつ言う。

 

NHKの朝ドラ「ブギウギ」で

(車の中で見たので断片的だったが)

主人公スズ子が話す相手が、

「夫はお国のために戦って

南方で亡くなりました」

と打ち明けるなり「ごめんなさい」

と言う。

 

この光景は、ドラマはもちろん

実際にも珍しくない。

子ども?いたけど亡くなったんです

と言ったときにも。

 

なので、

「謝られたら何も言えなくなるやん」

とぶつぶつ言う私。

 

すると!

ご主人を亡くしたその女性が言った。

「何で謝るんですか?」

 

おーーよく言った!

 

そうだよ、謝られることじゃない。

このあと何て言ってくれるか?!

期待しつつ瞬時に推測した。

 

亡くなったことが悪いことみたいじゃないですか?か?

慰めようのない話は聞きたくないですか?か?

かける言葉に困ったときは取り敢えず謝っておくのですか?か?

まあ、どれもイヤミ過ぎるけど。

 

と思っていたら、

ご主人亡くした奥さんが話し始めた。

「夫は私の誇りです」

 

ええ、ええ、そうでしょう。

ここは頷いて、次で、えっ・・・

 

「つらくはないです。悲しくもないです」

いや、つらいでしょう。

誇りに思っても、悲しいでしょう。

 

本人が言うならそれが結論かもしれないが、

彼女の場合は、

辛くない、悲しくない、と

自分に言い聞かせることによって

気持ちを奮い立たせているのもしれない。

 

私の場合は、また違ったなあ。

ごめんなさいなんて遮らないで

そのまま話せるほうが良かったなあ。

 

相手も聞きにくいかもしれないが

コレだけでもどうだろ?

「お名前はなんていうんですか」

 

あゆみです!!

ひらがなで、あ・ゆ・み です!!!

そんな自分が目に浮かぶ。