亡き子を追い求めて産んだ子だったのかも

2024/05/22

生まれてこなかった子のことも

思い続けるのが、母親なのだなあと

昨日書いたが、おばあちゃんのこと思い出した。

 

私が育った家に、仏壇があって、

なんで小さい男の子の写真が飾ってあるのかな

と思っていた。

「この子はだれ?」とおばあちゃんに尋ねたら

「しげちゃん」と言った。

 

どこの子?と思っていたが

おばあちゃんの、亡くなった子で、父の弟。

おばあちゃんは、この子に毎日手を合わせ

お供えをして、何を思っていたのだろう。

 

結局、名前は「しげちゃん」としかわからず

たぶん、病気で亡くなったのだけれど

しげちゃんの詳しい話を、家で聞いたことがない。

 

存在が薄れてきたから

ということではないと思う。

なのに、なぜ

話題にしないようにしていたのだろう・・・

 

現代だって、そういう家庭は少なくないだろう。

母親も父親も、深く想っているけれど

口にはしない。

黙って想うほうが日々の暮らしを前に進めやすい

といった状況。

 

ふと思った。

おばあちゃんは、父のあとにしげちゃんを産み、

しげちゃんを亡くし、

年数を経て、43才で叔父を産んでいる。

 

現在でも高齢出産は、リスクを伴うが

昔の医療のなかで、

よくぞ産み育てたなあと感心する。

 

もしかして、だけれど、

しげちゃんを追い求めて

強い思いをもって出産に臨んだのだとしたら

叔父が生まれてきた家庭で

しげちゃんのことは、話題にしないようにしたのかも・・

 

叔父は健在だが、

しげちゃんのこと、よく分からないと言う。

自分は、とても大事にされたとも。

祖父母の、覚悟をもった考えだったのかもしれない

と、勝手に想像をめぐらせ

祖母のこと、より愛おしく思えた。