静かに見送った人ばかりではなかった

2024/05/26

NHKの、朝の連続テレビ小説「虎に翼」で

第二次世界大戦が激しさを増していき

主人公の兄が出征となったとき、

通常の光景ではなくて、涙を誘った。

 

通常は、直立して敬礼などし、万歳で送り出す

というものではないだろうか。

この兄は、ちょっと頼りない。

そんな夫を、奥さんは大好き。

「子ども達を頼む」と託されると、

子ども達をかき分け、夫に抱きつき、泣く。

 

見送りに出ていた近所の人は

苦言を口にしかけて、言葉を飲む。

頼りない夫は、ここで本音をもらす。

「俺、一人で寝られるかな?

〇〇ちゃん横にいなくて・・・」

 

離れ離れになるということは

そういうことだなあ、と思わせる一言。

あるいは

「行きたくないよー」「死にたくないよー」

と泣き叫びたいところを

家族のみんなを不安に追い込まないよう

こういう甘えた言葉に置き換えたのかも・・・

 

勇ましく出ていく姿以上に

リアルに思え、涙を誘った。

 

そうして主人公の夫にも「赤紙」は来た。

主人公は伊藤沙莉。

この人こそ、通常の見送りではないような気がし、

かたずを呑んで見入る。

でも、抱き着いて泣いたりはせず

静かに見送った。

と思いきや、姿が見えなくなると

追いかけて行った。

 

追いついて、

何を言うのか?するのか??

 

ヘン顔だった。

 

ひょっとこのような、飛び切りのヘン顔。

えーーー

 

夫は、これに泣いた。

意味があったから。

辛くなったら、この顔思い出して!

の二人の思い出。

 

夫たちは、帰って来れるのだろうか・・・