未来は変えられなくても過去に戻る人
2024/08/03「コーヒーが冷めないうちに」という映画を
プライムビデオで観た。(まだ途中まで)
原作は、本屋大賞に選ばれた作品だそう。
喫茶店の、ある特定の席に座ると
過去の、戻りたい時間に戻ることができる。
ただし
コーヒーが冷めるまでに飲み干さなければ
現在に戻って来れない
というルールがある。
あゆみが亡くなったあと
私は、何度も何度も考えた。
あの日、あの夜、あの時間に戻れたら
絶対にそばを離れない。
そしたら、病気は発症したとしても
あゆみは、死ぬことはないはずだ。
この願い、その喫茶店に行けば
叶うのだろうか・・・
ちがった。
過去の特定の時間に戻ることはできるが
その後に起きることは、変えられない。
つまり私にとっては
あゆみに会うことはできても
死なない道を行くことはできない。
あーー残念、と思っている間に
物語は進んでいった。
いろんな人がやってくる喫茶店。
一人で過ごしている女性は
若年性認知症だった。
旦那さんが迎えに来ても、
旦那さんと認識できない。
それでも献身的に支えている旦那さん。
奥さんは、認知症の兆候が出始めた頃に
伝えようとしていたことがあった。
旦那さんはそのことを知るために、
例の席に座って、コーヒーを頼み、
当時の奥さんに会いに行く。
聡明な奥さんは、
自分がどうなってしまうのか
何もわからなくなってしまう恐怖と
ひとり闘っているところだった。
その奥さんに、旦那さんは
強く、繰り返し伝えた。
大丈夫、うそじゃない。あなたは大丈夫。
二人の姿に、
このあと起きることは変えられなくても
さかのぼって
大事な言葉や思いを伝えことは
とても意味があるのを感じた。
でも、それは・・・
生きている者同士
共に生きていくからこそ、なのかもしれない。