知らなかったわが子の姿がある

2025/07/26

卒業式のエピソードを書いたが

お子さん亡きあとの、

学校行事への出席の迷いも、聞く、

 

Nちゃんは、ピアノの練習に励んだ。

音楽会の伴奏者に選ばれたから。

でも、病気になって、

音楽会までに亡くなってしまった。

 

家族が深い悲しみに沈むなか

学校から音楽会の招待が届いた。

Nちゃんがあんなに楽しみにした会。

お招きくださったことも嬉しかった。

 

でも、行けば弾くはずだったピアノがあって

練習していた曲も耳に残っていて、

それなのに、弾くのはよそのお子さん。

 

やっぱり、行けなかった・・・

 

放課後、先生が訪ねて来てくれた。

担任の先生は、

クラスのみんなのメッセージを持って。

一緒に来てくれた校長先生は

Nちゃんの思い出を話してくれた。

 

ご両親は感激した。

校長でありながら、児童一人ひとりを

いつも見つめていたことを知り。

Nちゃんは、本が大好きだった。

図書の貸し出しの日は

借りた本を読むのを楽しみに帰ってくる。

 

でも、家に帰るまで待ちきれず

いつも校庭に座って

読みふけっていたことは

教えてもらわなければ知らなかった。

校長先生は、今も目に浮かぶと言った。

 

わが子を目にとめてくれていた人、

忘れられずにいてくれる人が

いる、ということが嬉しく、

Nちゃんの生きた証がまた増えた

と聞かせてもらった。