母の手足になった中学2年生

2025/12/22

すごい親子がいる、と

息を呑みながら読み進めた。

幼い娘を連れてシングルマザーとなり、

母は仕事をかけもちしていた。

 

そして仕事で配達中、

対向車線から車が突っ込んで来て、

潰れた車体に右半身を挟まれ

右手を失った。

 

繋がっていた右足も、怪我はひどく、

感染症のリクスを伴っていた。

でも自分の足で立って仕事をし

娘を養っていかなければ。

 

出口の見つからない会話を

主治医としていた時、横から娘が言った。

「だったら切れば」

母も医師も驚いた。

 

片足になると、あなたの介助が必要なのよ

と打診するも

当然のように「わかってる」と。

まだ中2、親に反抗したい真っ盛りに

この子は母の足になってくれた。

トイレにも付き添ってくれた。

 

ヤングケアラーが問題視されているが

ひとり親家庭で、片手片足となると

公的な介護サービスだけでは

どうしようもないだろう。

 

子どものうちに大人の役割を負わせると、

のちの支障が懸念される

という情報は共有されるようになったが

この親子の場合、どうなんだろう。

 

20回も手術を重ね、義足もでき

お母さんは車椅子ダンスを始めた。

大会にも出ているようだ。

 

病気や障害をもつ本人が精神的に克服して

幸せになっていくことで

家族も幸せになっていけたら、と願う。