弱った大人に影響を与える子ども

2019/11/17

入院中、心身ともに弱っていた私に

給食のおばさんが貸してくれた「電池が切れるまで」という本は

こども病院に入院している子どもたちが書いた詩集だった。

その最初のページに書いてある「命」という作品は

小学4年生の、ゆきなちゃんが書いている。

 

命を電池に例え

電池はすぐにとりかえられるけど

命はそう簡単には取りかえられない

とか

命なんかいらないと言って

命をむだにする人がいる

まだたくさん命が使えるのに

そんな人を見ると悲しくなる

とある。

 

院内学級で、乾電池の勉強をしたすぐあとで書いたそうで

その4か月後、ゆきなちゃんは亡くなっている。

「この本読んで、前を向いて」と言われなくても、

この本を渡されるだけで、前を向く気になれた。

 

すぐに買って、いまも大事にしている。

つい先日、小学生の作文をたくさん読んで、審査をする仕事をした。

その中で、この詩について触れている子がいた。

 

ゆきなちゃんは、今も人々と出会い、影響を与え

この社会の中で生きているのを感じた。