家ついて行ってイイですか?が行く家

2021/08/26

家ついて行ってイイですか?という番組のこと

そばを通りかかったダイキに、

「いいですよって言う?断る?」と尋ねたら

「うちには来ないでしょう。何ごともない家には」

と言うから、ちょっとホッとした。

何ごともなかった家、と認識しているなら。

 

そのまま何となく見ていたら

やっぱり、子どもが亡くなった家に行っている。

この家の、11才の女の子に、こころ奪われた。

 

4人お子さんがいて

13才の男の子、11才の女の子、3才の女の子、1才の女の子。

3番目にいた女の子は、心臓移植が間に合わず

6年前に亡くなったそうだ。

 

そのときのこと、おねえちゃんが泣きながら話してくれた。

臨終前、病院に詰めていたが、危機感がなかったことや

告別式でも、あまり悲しんでいなかったことなど

時間と共に、成長と共に、悔やまれ

中でも、亡くなって唇の色が変わったことを

「気持ち悪い」と5才の彼女は言ったらしく

「何であんなことを」と、込み上げる自責の念に

唇震わせ、涙ポロポロこぼす姿に、私も

身動きできない思いになった。

 

すかさずお母さんが

「だからこそ妹が生まれたとき一番喜んでくれた」

と言うが、

おねえちゃんの胸中は、そう簡単なものでなく

「また病気で亡くなったらどうしよう」

と複雑だったという。

これはもう、親と同等だ。

 

妹が亡くなって、また妹が生まれたからといって

切り替わるようなものでなく

悔やまれる思いや、悲しみをたずさえたまま

幼い妹たちの世話にいそしむおねえちゃんの姿に

やっぱり、この番組

何ごともない家には、行かないなあ

と思った。