24年を経て会うことができた友人

2022/04/22

学会での出番が終わったら

私はすぐに駅に向かい、帰りの新幹線に乗った。

 

東京より先まで行くことは、めったになく、

一度、途中下車して行きたいところがあった。

それは、友人宅。

会うのは24年ぶり。

あゆみのお葬式のときが、最後なのだ。

 

電話してみたら、来て来て、と言ってもらい

駅まで迎えに来てもらえることになった。

 

手みやげを買おうとして

あれ?和菓子が好きだった?

ケーキとか洋菓子が好きだった??

甘い物は好きじゃなかったような気もしてきて

彼女のこと、よく分からなくなってる・・・

過ぎた月日の長さを実感した。

 

泊まってって、とも言ってもらったので

私は大喜びで

ジャージとか、かばんに入れてきている。

 

学生の頃

どっちの家にも、泊まりに行ったり

泊まりに来てもらったり

あの頃と同じ気分になっていた。

つまり、

あゆみを亡くした私ではないみたいな感じ。

 

片時も思わないときはない、だけでなく

片時も、暗くないときがなかった自分が

心躍る18才の娘のようになっていて

そんな自分に、「いいよ」と思っていて、、、

 

ずっと前だったら

心躍るなんて、あり得ないし

踊ったりしたら

そんな自分が、いやに思えた。

あゆみは、私を暗く生きさせようなんて

ぜったいに考えていないはずなのに。

それがわかっていても、ひたすら暗かった。

 

駅に着くと

改札口は1つと聞いている。

私のほうが先に着いたようだ。

心躍らせて人を待つって

すごくいい。

 

でも、遅いなあ。

なんかあったんかなあ。

電話してみよう、と思って、かけたら

横に立っていた女性のケイタイが鳴った。

最初からずっと立っていた人で

「もしもし、マル?!」

と言うから、

左を見ると、その人も、右を見て

 

えーーーーーー!

 

会っても分からなかった理由は

どっちからも言わなかった~