「できなくても大丈夫」という対応がほしい

2022/08/23

グリーフケアの研修を担当して

ご質問で、「大丈夫、という言葉が出てきましたが

この言葉は、言っていいときと、言うと良くないときが

あるように思うのですが、いかがでしょう」

とお尋ねくださった。

 

私、この言葉をどの部分で使ったのか

恥ずかしながら、すぐ分からなかった!

それで、ちょっとズレた回答をしたかもしれない。

このことは、また明日書くことにして

実際に使っていたのは

「できなくても、大丈夫としてほしい」だった。

 

例えば、

意識のない子どもに、親が、何かをしたことに対し、

医療者が、子どもに向かって「よかったね」と

言ってくれるとき

医療に素人である親の立場を上げてくれることがある。

 

専門家がするほうが、ずっと上手だとしても

親がするから、子どもは嬉しいと考えて。

 

ところが、こういうときに

できない親もいる。

冷たいのではない。

状況を受け入れられない

というのが一番の理由だろう。

 

だから、手が出せなかったとしても

「大丈夫ですよ」という対応がほしい。

親なんだから、してあげればいいのに

と思って、そう伝わると

親はものすごく傷つき、後々、自責が増大する。

 

究極のところでは

子どもが息を引き取る少し前に、

医師や看護師が、抱っこの準備を整えて

「抱っこしてあげてください」

と言ってくれたのに

抱かなかった(抱けなかった)親もいる。

 

お別れが言えなかった。

自分が抱くことによって

最期を引き寄せるような気がしたから。

だから、冷たいのではない。

あとで自分を責める必要もない。