亡くなった女の子に「いいこと」してもらった

2022/12/05

私はお琴を持っていた。

大学のとき、いろんな楽器を弾けるよう履修するのだけれど、

授業が行われるのは、学内にある和室。

足が痺れて、それどころでなく、

弦をはじいた時に、指にはめた爪を、

先生のところまで飛ばしてしまったことがある。

それを拾いに行こうと立ち上がるなり、

スッテーンと転んで、身もだえて、

先生は呆れるし、みんなに笑われるし、、、

 

家で練習するしかない!と奮起し、

お琴を買った。

で、どうにか、こうにか、単位は取れたが、

それから家で弾いたことはなく、

物置きにしまったままになった。

 

弾かないのに、置いておいたのは、

女の子が生まれたら、弾くかもしれない

と思ったからであり、

実際、生まれたのだけれど・・・

 

なので処分しても良かったのに、

なんで、ずっと、あったのかなあ?

 

その理由が、ついに、先日わかった。

 

初めて「つどい」に来られたお母さんが

亡くなったお嬢さんの、妹さんが、お琴が好きで、

と話されたとき、すかさず、

私「お琴ありますか?あげましょか!」

と、もちかけると、

えっ?となられ、「初対面なのに」と仰るが、

あなたは初対面のつもりでも、私はそうでもないのよ、

みたいな温度差を生じさせた。

 

亡くなったHちゃんの妹さんに、あげたい!

 

「あ、でも」と付け加えておいた。

お琴貰ったから入会しないといけない、とか、ないから~

と言ったら、ほかの人、笑ってた。

 

それで、きょう、差し上げることができた。

あゆみいないのに、

お琴だけ、ずーっとあっても。

それより、

好きで弾いてくれる女の子のところへ行けて

お琴のためにも、よかった。よかった。

 

これって、「人にいいこと」したのかな?

いやー

家に有ったものを、右から左に、だけだから。

 

「人にいいこと」するのは、お琴で、

私じゃないなあ。

 

あ!そうか。

私が、いいことして貰ったんだ。

亡くなったHちゃんが

私に「いいこと」してくれた・・・

 

実際には会うことのなかったHちゃんが、

すごく身近に感じられ、

2倍うれしい。