「自分の子さえ守れなかったのに」と言われ
2023/07/11親が手放す赤ちゃんへの思いが溢れ
「赤ちゃんポスト」を開設した女性の気持ち
わかる、と書いたが
私がしようとしたことは
養子に迎えることだった。
手放す親を、どうこう言うよりも
赤ちゃんが命を落とすことなく
赤ちゃんが幸せになればいいんじゃないか?
私にもできること、あるんじゃないか?
本気でそう考えて、
しつこくダンナを引っ張り込もうとしたが
まったく無理だった。
ついに言われた言葉に、私はうろたえた。
自分の子さえ守れなかったのに
人さまの子の命を預かるなんて
できるわけない
そう言われたとき
言い返そうと、思わず口から出そうになった言葉は
一番言いたくない言葉だった。
だから口から出なかったが、
「あゆみちゃんは、たまたまよ」
あゆみは、たまたま死んだ?
人が罹らないような病気に、たまたま罹り
たまたま目を離している間に急変し
たまたま受け入れ先を探すのが難しい夜だった。
私の頭の中には、
こんなにも「たまたま」がありながら、
言えば軽くなってしまうようで
簡単にあきらめたかのようで
気持ちはまったくそうではないから
言いたくない言葉だった。
「自分の子でさえ守れなかったのに」
は痛烈に刺さり
もう私も養子の話はしなくなった。
そのこと、
あとで考えて、勘違いしていたように思えた。
私は、親が手放す子の役に立ちたかったのだろうか?
そうではなく、
赤ちゃんに来てほしいだけだったのだろうか?
そうでもなく、
うちに来てくれる赤ちゃんに、
あゆみが入り込んでくるかもしれない
といった暗示にでもかかっていたのではないだろうか?
よーく考えて
3つめだったような気がする。
だから、やめておいたほうがよかったのだろう。
あんまりしつこいから
ダンナからあんな痛烈な言葉返されたけど、
私以上に、悲しみと、自責を、持ち続けている
親なんだと知ったときでもあった。