教訓になるために生まれてきたのではない

2024/07/04

高温になった幼稚園のバスの中に取り残されて

亡くなった女の子の裁判が行われた。

被告人である園長には執行猶予がつくのではないか、

と私は予想していた。

降車時に人数確認しなかった罪は重いが

この日、欠勤した運転手に代わって、

慣れない仕事をしていたから・・・という

同情心のようなものも私にはあって。

 

でも、実刑を言い渡した裁判官の言葉に

その通りだなあ、と思った。

子どもの命を預かる責任者とは

これほど責任の重い職務なのだと。

 

そして裁判官の言葉は

涙が込み上げるほど心に沁みた。

「ちなちゃんは、お父さんとお母さんを

幸せにするために生まれてきた。

教訓になるために生まれてきたのではありません」

と、涙を浮かべて説諭したという。

 

本当にその通りだ。

子どもが命を落とすようなことが起きると

法律が変わったり、製品が改良されたり

大きなことが、大きく動く。

このことは、これからも生きていく人の

幸福に繋がっていくのだけれど、でも、

亡くなった子は、そのために生まれてきたのではない

という認識を、しっかりと持たなければ。