「君がいてくれるだけで」の思いが伝わる

2025/11/01

奥様の意識が戻らないかたと

仕事終わってから、たくさん話した。

命の危機は脱したあと、

病院の外に出してあげたくて

一緒に暮らしている、とは聞いていたけれど

夫婦で入居できる老人ホームだった。

ホーム最年少夫婦。

 

奥さんは、ほっとしているそう。

ほっと、とはどういう状態だろう。

と思うけれど、夫だけわかる反応みたい。

 

同居が始まると、大変だけれど

病院より自由度はあがる。

音楽をかけて過ごしたり、

絵本を読んであげているそう。

 

絵本かあ。

幼いころ、親に読んでもらった絵本を

夫に読んでもらう、って素敵な夫婦。

 

音楽を聴かせて、覚醒をはかろうとか

絵本を読んで、記憶を呼び覚まそうとか

そういう考えなど何もなく

心地いいかもしれないことを

ただ、してあげたい。

何でもしてあげたい、という思いが

話していて伝わってくる。

 

君がいてくれるだけで

という思いは、もっとも深い愛。

 

「奥さんの写真、見せて」と言ったら、

見せてくれそうになったが

私は、元気なころの写真を頼んだつもり。

持っていたのは、闘病中の写真なので

遠慮しておいた。

見ていいか、奥さんの許可取っていないので。

きっと今も美しいかただと思うけど。