手の内に自分が戻る

2008/05/21

ずっと探している言葉がありました。

おそらく、子どもを亡くした人の多くに共通していると思うのですが
子どもが亡くなって、苦しい思いをしているうちに
なんだかいろいろなことが起きてきて
もっと苦しい状況にのまれていき、そうしているうちに
自分が自分でなくなっていくような焦燥感に駆られ
もう元の自分には戻れない不安に襲われ
そうしていつしか、元の自分でなくてもいいのだと思え
また自分を生きていく
という道のりがあったと思います。

この「また生きる」という言葉
私はいやでなく、むしろ好きだったけれど
でも、別人になって生き始めるみたいな
再スタートラインが引かれるみたいな
そういうイメージが伝わると、それはちがうので
うーん どう言えばいいのかなあ
と、このことを表すことができる言葉を探していたのです。

日曜日に大阪のつどいがあったので、みんなに相談してみたところ
これだ!と思う言葉に出会うことができました。
【手の内に自分が戻る】
「手の内」とは、念のため辞書で引くと「手のひらの中」とあり、
同意語の「掌中」で引くと「転じて、自分の領有の範囲」とあります。
手の内に自分が戻る とは
自分の領域に自分が立っている感覚を言っているのです。
もちろん、この「自分」とは、以前の自分を指すのではありません。
私そのもの、自己自身です。

共通体験を通してしみじみと語り合える仲間。
知恵を出し合い、共有できる仲間の存在を
私は財産に思っています。