歯医者の診察台で思い至る
2011/09/18 「私は変化した」などと前回書いておきながら、
歯科に行ったら、からきしだめで、
以前どころか、幼少期と変わりない。
ハンカチ握り締め、先生の言葉に、
まともに返事もできず、
口をあけたまま、うっ・・・ んっ・・・ と声を絞り出すばかり。
「楽にしてていいですよ」(今は閉めてていい)と言われても
ずっとあけている。固まって閉まらない。
いつも蘇る光景は、
小さい頃に行っていた歯医者さんの、こわかったこと。
そのため、歯科には足が遠のき、
観念して行くようになった頃には、ひどい状態に。
私の貯金が乏しいのは、
歯の治療代のせいとも言えるだろう。
引っ越したため、新しい先生に診てもらっているが
前の先生は、どうも上手くはなかったらしいことに気づく。
治療済のところが次々と痛んできたから、だけでなく、
その以前の先生、ピンセットで挟んでいる「かぶせもの」を
口の中で落っことして、喉の方に行きそうになったことが
2度あり、2度とも
私、飛び起きて、ライトに頭をぶつけたのであった。
今は「やり直し」の根っこの治療中。
1つ分かったことは、
痛いですよ、と先に言われて、痛いのと
何も言われずに、痛いのとでは、
痛さの感じ方が違う。襲われ方が違うとでも言うのか。
ぜひとも、「痛いですよ」と予告がほしい。
よし、と覚悟を決めて臨むと、幾分、マシに思える。
ふとまた、あゆみのときと重ねた。
この子は重症だ、と判断されて、そのように知らされているのと、
いきなり、命があぶない、と告げられるのとでは
行き着く結果がもし同じであっても、
受け容れる「痛さ」は違うんじゃないか、などと
診察台の上で、ハンカチ握り締めながら、考えた。