母の新しい性格
2012/08/27 母が、自分は高齢のため保険に入ることができないので
ダイキに保険をかけることになった。
なぜ突然そのような運びになったかは、不明。
おそらく、郵便局の人の勧めに、ハイハイと乗ったと推察する。
母は誰の言うことにも、ハイハイと応じる毎日。
母と、私と、ダイキが揃う日に、担当者が家に来た。
被保険者は、若くて健康な人が得なのだと言う。
それはそうだろう。
では、小さければ小さいほど得なのか、尋ねてみると
小さすぎても望ましくないのだと。
わが家では、そこまで聞けばもう意味が分かる。
とても親切な人で、説明が詳細かつ克明。
「3才未満のお子さんは、実は亡くなる率が高いのです」
という話に、ダイキは伏し目がちになり、じっと1点を見つめている。
もういいよ、と思ってるのだろう。
私も、手続きを進めてほしいと思っている。
と、そのとき母が、「そうなの、うちもね」と話し出す。
えーーやめようよ、と私は思う。
母としては、気を遣って相手に話を合わせているのだろうが、
単にあゆみのことを話したいようでもあり、
そういう病気が、人ごとではないということを、教えてあげたいようでもあり
いずれにしても、私とダイキは、「もういいじゃない」と思っている。
郵便局の人も、表情が固まっているし
私、母の袖を引っ張るが、気づくどころか
あゆみの思い出まで始まり、ダイキはつらそうにうつむく。
もう限界だと思い、契約に進めてもらった。
最近になって分かってきたことは
私よりも夫、夫よりダイキが、あゆみのことを他人に話そうとしない。
少し前に、そっと尋ねてみたところ
別に隠すつもりも避けるつもりもないけれど、
むやみに人に話すことではない
というのが彼の考えらしい。
自分で大事にしておきたいと。
母は、いわば真逆。
母って、昔からこんなだっただろうか・・
これも、新しい母の性格に思える。
それにしても、あゆみのことだけは、よく覚えていることに感心する。