それ以上がんばらなくても
2012/09/17 公務中に亡くなった婦人警察官(仲間由紀恵さん)が、
幽霊になって、わが子を見守る
というテレビドラマの最終回を見た。
母の姿が見えるのは、小学1年生の息子・トンボだけ。
会話もできる。
ずっとその関係でいけるのか、と思っていたら、
母が天に昇っていくときを迎えた。
「ぼくはがんばらない」とトンボは言い出した。
息子のことが心配で、ずっと傍にいてくれると嬉しいから。
けれども後にトンボは、「ぼく、がんばる」と言うようになった。
母が安心して天国に行けるように。
母を笑顔にさせるために。
トンボは、えらいなあと思った。
私も、何度人から言われたことだろう。
そんなに悲しんでいては、あゆみちゃんは心配で、天国に行けないよ。
あゆみちゃんは、泣いているお母さんより、笑顔のお母さんが好きだよ。
本当にそうなのだろうか?
遺族は、亡くなった人のために、
そんなにも、がんばらないといけないのだろうか?
私も、「新人」の頃は、周りの人の言葉に、ただ呑まれていったけれど
あとで思うようになった。
遺族は、残された人生を生きていくこと自体、頑張っていることだから
その上さらに、「〜してはいけない」「〜しなければならない」
とまで頑張らされる道理はないんじゃないだろうか?
しかも、亡くなった人は、遺された愛する人に
何かを強いるような考えを、もたないんじゃないだろうか?
そう思うようになり
その日、その日を、自由に、思うように過ごすようになって
少しずつ生きることが、楽になっていったことを思い返した。
まして子どもは、普通に過ごすことが、「前向き」であり
生きていることが、親を笑顔にさせることなので
トンボは、ふつうに、思うように過ごしていいと思う。