冷たく別れてしまった
2015/03/30 私の車、故障ばかりで困っていたのに
だまし、だまし、乗っていたら、
とうとう見かねた身内が、
「昨年は(両親の介護を)よく頑張ったから」と
新車をプレゼントしてくれた。
古い車が、廃車として引き取られていく日、
私は風邪をこじらせ、ベッドの中にいた。
ダンナが「来はったで〜」と呼んでも
「頼むわムリ〜」と、顔も出さなかった。
悪いことしたと、きょう思った。あの車に。
新しい車に乗って、申し訳なさが持ち上がってきた。
10年以上、足の代わりになってくれたのに
あんな冷たい別れ方して。
もう1台前の車を廃車にするときは
写真をたくさん撮って、きれいに掃除して、洗って、磨いて、
泣いて、泣いて、送り出した。
あの車は、
あゆみが生まれてから、亡くなるまで
ほぼ毎日、一緒に乗った。
最初は固定できるカゴで、途中からチャイルドシートで。
あゆみは、固定されている理由が理解できず
両手を広げて、よく泣いていた。
私は、前を向いたまま、大きな声で歌った。
疲れて休むと、アーアーと催促され
ほんとうによく歌った。
あのときの童謡は、そのあと何年間も、
歌うことも、聴くことも、
できなかったなあ。