笑わなかった人の優しさ

2019/07/27

久しぶりに、講演先でご一緒した先生。

私は後からだったので、客席で聴かせていただいた。

 

あっ、またこの話!

 

男性のグリーフ、確かに難しい。

私も、対面していて、ほとんど話されないことがある。

涙されることも、ある。

 

そのとき私は、ほんと辛いですよね、は思う。

でも先生が言うようには、ぜったいに思わない。

「これは、やった!なんです」

 

お話にはまだ続きがあって

すぐ横に、準備しておくべきモノがあるそうだ。

ティッシュの箱。

これは、出すタイミングが大事だそうだ。

「早すぎてはいけません」

「ちょうどのタイミングで出せたら」よっしゃのポーズ(小さくガッツ)

 

もう目をつむった。

 

このとき、ちょっと救いだったのは、

会場がそれほど笑わなかったこと。

でも、少数はウケていた。

 

私は関西人で、ウケもボケもノリも好きです。

でも、言葉の出ない状況の男性が、

うるると涙をこぼしてしまう瞬間を思い浮かべて

なんで笑えるんですか。

 

講演者をよいしょする必要なんか、まったくない。

講演は、受講者ファーストなんだから。

遺族のための勉強会なんだから。