ひと言で気持ちが変わった瞬間

2019/08/27

退院してすぐの仕事は、看護師さんの授業だった。

最初の挨拶で、「昨日まで入院してまして~

退院しても今日一日看護師さんと過ごせて嬉しいです」

と思わず口走ってしまう。

 

授業では、「自分の行動や言葉が、良いものとして心に残る場合と、

傷つきとして刺さったままになることがある。

だから気を付けたいと思っている」と言ってくれた。

周産期のグリーフケアの授業だけれど、

1つ、今回の入院中のことを聞いてもらった。

手術の翌日、最初採血のときのこと。

 

手術した腕は装具固定でふさがり、もう片方は点滴でふさがり、

採血が足からしかできなかった。

「足からは痛いですが」と教えてくれたので

覚悟するが、足の甲に刺す針は、ほんと痛い。

ものすごく痛い。

ううう痛すぎる。採れてないん??

限界ぃと思ったとき、「一旦 抜きます。」

ふぅ。

 

私はへろへろで余裕がなく、こんな時期の失敗に

ムッとなりそうな自分と葛藤する。

そのとき、看護師が言った。

「こめんなさい。痛い思いをしているときに、さらに痛い目をさせてしまって。

本当にごめんなさい。」

この言葉で、気持ちがくるん と変わった。

 

すごく分かってくれている そしたら いい。

「もう一度」を、少しもいやに思わなかった。

そうだ、私は「わかってくれる」ことを一番求めているのだ、と気付いた。

今すごく辛い状況ということを。

 

1つの行動だけで、よい行動、良くない行動、と結論付けられないと思う。

良くない行動をきっかけに、通じ合うことがあるから。

だから、失敗したときほど、

最初の言葉を大事にしてほしいと思う。