刺さったままの言葉とは

2019/09/15

抜くこともできず、刺さったままになっている言葉を

最初に聞いたのは、この会を創ってすぐのことだった。

あゆみと同じ病気に倒れた子どもたちの親の話を

記録をとりながら聞いていた時期、

同様のことを何人も言っていた。

 

病気を発症する前に、しばらく家で様子を見た人たち。

これは当たり前のことで、あゆみたちの病気は、最初は風邪のよう。

そこから、あっという間に悪くなるのだ。

 

その悪くなってからを見た医師が、

「こんなになるまで何してたの」あるいは

「何でこんなになるまで連れて来なかったの」と親に言った。

医師も、大変だ!と慌てたのかもしれないが。

 

私が出会う人は、全員、予後が悪い。

そのあと快復した人とは出会わないので。

実際は親に落ち度がなかったとしても、医師のたった一言が

ずーっと突き刺さったままになる。

そういう性質の病気だったのに、自分のせいと思いこんだままになる。

 

ダイキのときにもあった。

あゆみとは別の病気で、まだあゆみが生まれる前のこと。

「何でもっと早く連れて来なかったの」という医師の言葉に

私はとても反省し、「すみません」と医師に謝った。

そしたら医師は言った。

「僕に謝らないで。この子に謝って」

 

それは正しいかもしれない。でも、私は、

この一言で、育児の自信をすっかり失ってしまった。

 

だからダイキとあゆみは、年が離れている。