あゆみが亡くなった日は晴天すぎた

2020/02/26

電車が時刻通りに入って来たとき、思った。

この会社の社長だった人が、亡くなったけれど

寸分の狂いもなく日常が保たれる。

当たり前のことかもしれないが、

現在の社長に何かあっても、同様に保たれる。

 

私は、関わりがあるから亡くなったことを知ったが、

乗っている人々は、そんなこと知らないし、関係がないし

そんなことを考えていると

意識はあの日に戻っていった。

 

あゆみが亡くなった日、

裏口から病院を出ていくと、ものすごい青空だった。

いい天気すぎるじゃないか。

車もびゅんびゅん走ってる。

私にはこんなに大変なことが起きたのに

世間は何も変わらないし、何の影響も受けないし、

起きたことさえ知らない。

 

そうして電車は大阪駅に着き、

この電車の会社に行った。

会社の人と故人の話をしたら、涙が込み上げてくるが

仕事を淡々と終え、それから別の約束のところへ移動。

ここでは全く別のことを話し、笑い、

終わったら生ビールまで飲んだ。

 

私に起きたことの影響を、何も受けない人のこと、

心無いようにさえ思ってしまった私なのに。