どこにでも出没する「なりすまし」

2021/03/01

当会での唯一のお願いごとは

「つどい」の参加時に、お名前を教えていただくこと、

と昨日書いたが

このお願い、どのように決まったのか、考えていた。

 

「お名前だけは教えてください」

というよりも

「こちらから体験談を尋ねることは、しないようにしています」

に重きを置いている。

 

つまり、

病気か不慮の事故で、お子さんを亡くされた方なら、

どなたでもお越しください

という気持ちでお招きし、

来て何も話さなくても、大丈夫です

という姿勢を示しているのだけれど

あるとき、他会の運営者から、思わぬ話を聞いた。

 

ずっと「なりすまし」だった話。

え?何のために?

 

結局、目的は不明のまま

子どもを亡くしたわけではない人が

ずっと中にいたそう。

 

ほかの人の、つらい話が聴きたかったわけ??

そういう話、共通体験者だから響き合うが

無関係の人が聴いて、何になるのだろう・・・

 

こういう活動では、個々の感情が最重視される。

そのために、その会では、

実名は、むしろ名乗らない体勢をとり

ニックネームが推奨されていた。

 

それが個々を護ることになるという考えなら

私は、逆だと思った。

安全や信頼の基本は、

お名前を教えてくださる方であること、と思える。

 

あくまで人の善意に委ねるところが大きいので

完全はないにしろ

これまで、「なりすまし」には出会っていないし

当事者を傷つけるような人と出会わなかったのは

お名前を教えてくださる方ばかりだったから

かもしれない。