占いはハズレで私だけ腹を立てた

2021/08/17

純子さんの不調が続くも、

死期が迫っているとは、思わなかった。

超有名な占い師が「死なない」と断言したから。

 

でも主治医は、「良くなっている」とは言わなかったようだ。

純子さん自身は、本当は、どう思っていたのだろう・・・

悪くなっていっても、明るかった。

そして最期まで、

占い師のことを悪く言うことはなかった。

 

私は、占い師を、ひどい人だと思った。

見誤ったのではないと思う。

口から出まかせ言ったのだと思う。テレビ向けに。

 

彼女が亡くなると、私はその占い師を、さらに憎んだ。

当時は、しょっちゅうテレビに出て

ドロップほど大きな宝石を、右手にも左手にも着け

豪邸に住み、ばちは当たらないのか?

と思ったり

番組宛てに、占いは外れました、と知らせようか?

とも考えたけれど

できなかった・・・

 

私が親族ではないから、というのも理由だけれど

一番の理由は、

彼女が、最期まで、あの占い師を悪く言わなかったから。

 

なぜなんだろう・・・

いくら考えても、よくわからないが

「死なない」と思って過ごせたことが

良かったから、だろうか?

 

終末期の人に、死ぬとか、死なないとか

そういう話題、こちらから口にすることはないので

本当の気持ちは、わからないままだった。

 

はっきり言えることは

最期まで明るかったこと。

(またつづく)