生涯通してかけがえのない1年間

2021/11/16

きょうお話ししていた人から、心温まる話を聴いた。

このかたの姑さん、かなりの認知症で、

いま入院されているのだけど

自分の家は〇〇町、と思い込んでおられる。

 

〇〇町というのは、姑さんが新婚のとき

1年間だけ暮らした町。

小さなアパート住まいで、

そこで子どもを授かり、産み、母になった。

 

80年以上生きてきた中で

わずか1年暮らした所、そこだけが記憶に残るって

よほど良かったんだろうね・・・

とお嫁さんは感心している。

生まれた子、というの、私の旦那なんだけど~

と笑いながら。

 

ほんと、そうだ、と思った。

あゆみが、おなかの中で育っていたとき

あゆみが生まれたとき、

抱いて一緒に家に帰ってきたとき

あのとき、最高だった。

 

あゆみはその後に亡くなったが、

極めた頂点は、私の中で不動のもの。

 

いつか私が認知症になって、

住んでいる家が、どこかわからなくなったら

きっと「上新庄に帰ろー」とか言う気がする。

一生分のしあわせを貰った場所。