他人のひと言で開眼するなんてこと

2022/03/06

一人の近所のおばさんから

私が貰って嬉しかった言葉は

「つらいね、わかるよ」

だった、と書いたが、

同じように子どもを亡くした母親が

貰って嬉しかったという言葉に

絶句したことがあった。

 

「下の子まで失ってしまうよ」

 

何でこの言葉が嬉しいのか?

私にはさっぱり分からなかった。

よくこんな酷なこと、言う人がいるな

とさえ思えた。

 

〇〇ちゃんまで、同じ病気になって亡くなる

ということを言われたわけ?

と尋ねたら、

そうではなく、別の意味が込められていたらしい。

 

お母さんは、上のお子さんを亡くして

呆然自失、心は亡くなったお子さんのところへ

行ったかのようだった。

その様子を見ていた知り合いのおばさんから

前述の言葉をかけられている。

 

下の子も亡くなる、という意味ではなく

母親の愛情を受けられない子は、まともに育たない

という意味だったらしい。

 

この言葉を、心から「そうだ」と思え、

言ってもらって嬉しかった。

でも、やっぱり、私はわからなかった。

 

彼女は、相手の思いやりを感じたつもりだった。

他人なのに、まるで身内のように。

私は、それもあるかもしれないけれど

身内でも、そんな辛辣なこと、言わないんじゃないか?

と思い、いろいろ話し合った。

 

そうして、二人同時に

「そうか!」と言った。

 

言葉そのものが良かったとか

言った人との関係性が良かったとか、は

二の次だったようだ。

 

一番にあったのは

本人が、既にそう思っていた。

 

思っていることに、まだ気づいていなくて

その言葉をきっかけに、気づいた。

つまり

本当に、そうだ!と思えるのは

他者の言葉が心を動かす、というよりも

本人の気持ちや意思が、

「言葉」のすぐ近くまで来ていたから

サッと掴んだ。

と、私たち2人は考え、一致した。

 

多くの場合

そうなんだろうと思う。