本当のことを教えてくれただけなのだけど

2022/09/04

この夏、私は、外出時に黒い手袋をつけて

ちょっと気分を上げていた。

母の遺品整理をするなか見つけた手袋。

細くて、つるつるの、お洒落な感じのもの。

 

どんなとき使っていたのだろう?

と思って、調べてみると

どうやらキリスト式の告別式に出るときに

黒い小さい帽子と、黒い手袋をつけていたようだ。

昔の人は、ちゃんとしていたんだなあ、

と、ちょっと尊敬した。

 

私は仏式の告別式しか出たことがないが

うっかり数珠を忘れて行くことさえあって

はずかしい。

 

で、この手袋を着けると、手がすっと綺麗に見えて

いい感じに思っていた。

母を知る人に会ったとき

「これ、見て!」と手を見せた。

 

母のタンスから出てきた話をし

私は何を期待したのだろう。

えー、いいもの見つけたね

それは懐かしいね

使ったら「ママ」も喜ぶよね

あたりかな?

 

でも、返ってきた言葉は

「UVじゃないよ昔のは」

 

なんだろ、この気分・・・

 

けなしたわけではないし

けなされたわけでもない。

その手袋では日焼けするよ

と教えてくれただけなのに

ずーーん、という気分。

 

しばらく考えた。

返ってきたのは、こういうことだ。

・本当のことを言う

・気付いていないことを相手に知らせる

 

これ、私も、していると思う。

かなりしているかもしれない。

間違っていなくても

言わないほうがいいことは、ある。

 

むずかしい・・・

私のように、大切なひとを亡くした人と

いつも接する立場で

私のように注意欠如のものが

こういった微妙な判断を

できているのだろうか・・・

 

心がけよう。

大切なひととの思い出や、思い出の物が

話題に出たときは

ともかく

さえぎらないように

ご本人の言葉を聴くこと。