交差点の中にだいぶん止まっていたようだ

2023/03/03

一人で、車で出かける途中、

道はとても混んでいて、

大きな交差点に差し掛かったとき

救急車のサイレンが聞こえてきた。

 

遠いのか?近いのか?よくわからず、

ゆっくり交差点に進むと

来るのが見えたので、止まった。

 

こういうとき、急に戻っていく。

あゆみが救急車で運ばれた夜に。

受け入れてくれる病院が見つからず、

家のそばで止まったままになり

閉じ込められているのは救急車の中だけど

社会の溝のような暗闇に

あゆみと閉じ込められた。

 

あれから、

何度も引き戻される、つらい記憶。

 

以前は、サイレンの音で涙が出てきて、

そういう反応を

どうすることもできなかったけれど、

今では、涙が止まらないということも

泣きながら運転するということも、なくなり

覆いかぶさってくる記憶に

動じることもなくなった。

 

だからといって、

何事もないのではない、と

きょう気づいた。

私は、交差点を真っすぐ進むところにいて

救急車が通り過ぎても、

止まったままになっていたため

すぐ前の、右折したい車の運転者が

じーっと私を見ていた。

 

あっ、行かないと。

固まっていた・・・

 

涙が出なくなったからといって

平気になったわけではなく

平気になるときは来ないのだろう

と思えたり、

平気になる怖さ、のようなものもあるが、

自分で、内に持てるようになった

ことは感じた。