「みにくいこと」ばかり考えていたから

2024/05/02

星野富弘さんの作品で

とても好きなものに、もう少し触れていたい。

 

昨日は、傷をもっても、その傷口から

人のやさしさが沁み込まない

自分自身にさえ傷つくような

そんな境地を思い返していた。

 

ふと別のページに目を移すと

そこには

星野さんにもある葛藤が描かれている。

 

黒い土に根を張り

どぶ水を吸って

なぜきれいに咲けるのだろう

私は

大ぜいの人の 愛の中にいて

なぜ みにくいことばかり

考えるのだろう

 

しょうぶの花が添えられている

この詩には、気持ちが救われた。

私は、あゆみがいなくなって

不幸や災いが降りかからない人に

「みにくいこと」ばかり考えていたから。

 

さらに気持ち救われたのには

この詩は、

昨日の、悟りを開いたかのような詩よりも

あとで作られていること。

 

あの詩は、悟りの境地ではなかったようだ。

星野さんも到達はしていなかった。

きっと

這いあがっては、転がり落ち、

また這いあがっては、滑り落ち、、、

 

つらいだけでなく

みにくくなっていく自分も

さまよっているだけの自分も

受け容れたいと思うようになった頃だった。