どんな最期でも感謝が口から出るといいな

2019/10/17

久しぶりに知人に会い、食事に行った。

どういうきっかけで、その話題になったのか、

年を取って施設などに入るとき、妻は、

夫と同じ施設に入りたがらないもの、と教えてくれた。

でも、面会に行く家族が大変になるから、

別々の施設ではなく、別の階に入居するのだそう。

 

「だって、老後まで、おい!とか言われるの、嫌じゃない」

ああ、なるほど。

 

ところが、きょうニュースを見ながら、イメージが変わった。

台風19号で、決壊した川の水が、夫婦の寝室に流れ込み

身体が不自由なご主人は、動けなかった。奥さんも力が足りなかった。

「長い間、世話になったな」と言って泥水に沈んでいった、と

冷静に語る奥さん、心はショック状態なのかもしれない。

苦しさと恐怖の中で、ご主人、よく言ってくれたなあと思う。

 

奥さんのほうは、ベッドの上で立っていたら

増水した水は、首まで上がってきて、引いていったと言う。

同じ場所にいても、命の行方を分けることって、ある。

歩ける、歩けない、の違いによるだけでなく、

首まで迫ってきて、あと数センチというところで引くとは

一体どういうことなんだろう。

 

そして、どういう言葉で説明できるのだろう。

普段は、「運」という言葉がよく使われるが

人の命を左右する事態に、ふさわしくない気がする。

「偶然」も、よく使われる言葉だが

これも、ふさわしいと思えない、