私はそんなに怠け者ではなかったのよ・・・

2009/02/04

買物、行かない?
一日おきに尋ねに来る母が、ちょっと重荷。
母が脳内出血から生還して以来、一緒に買物に行っている。
なぜか母は、一日分の食料しか買わない。
カゴの中身が少ないのを見て、いっぱい買っとこ!と促しても、
せいぜい二日分。
なぜなのかは、わからない。

私の家は二世帯住宅で、1階親家のキッチンは広い。冷蔵庫も二つある。
2階わたし家のキッチンは狭く、冷蔵庫も1つ。
冷蔵庫が1つしかない私が買いだめし、入るだけ詰め込もうとするのに、
1階の冷蔵庫はガラガラで、賞味期限切れの食品がここを棲家にしている。

母の買物は、1時間はかけて売り場を歩く。
食品の一つひとつを手にとり、表示内容を読む。
主婦として、正しい。しかし、
私はいまさら賢い主婦でなくても、もういいと思っているし
母のその行動が、私にはつらいのだ。

母は、知的で勤勉な人だった。
そういう女性が老いると、買物はこういうスタイルになるのだろう。
母に私の理屈は通じない。
こちらが合わせ、ゆっくり歩くしかない。

そう観念するようになったのに、昨日。
私が大きなため息をついたとき、
どうしたの?と母に尋ねられ、
いまちょっとした問題を抱えていることについてかいつまんで説明したところ
「怠けてるだけちがう?」と言われ、
私は、「いつも、そうやったよね…」とつぶやいた。
これ以上は言わなかった。
言ってもわからないと思うし、今さら言う必要などないだろう。
でも、カチンときたのだ。

あのイラッとした感覚、何だったのだろう、と考えた。
母にものが通じないのは、いまこの状況だからではないと思う。
以前も、さらに昔も、通じないことは多々あった。
当時も私は、何も言わなかった。
今言わない理由と、当時言わなかった理由は、少し異なるけれど、
イラッとしたのは記憶のなかの出来事に対してだったように思う。