触れなくても一緒にいられるだけでいいか?

2022/07/02

先日録画しておいた映画を観て、泣いた。

「今夜、ロマンス劇場で」という映画。

 

映画監督志望の青年(坂口健太郎さん)は、

古い映画の女優(綾瀬はるかさん)に憧れている。

ある日、その女優、映画のスクリーンから飛び出てきた!

 

二人は一緒に暮らすようになった。

でも、触れようとすると、するりと身をかわす。

彼女には秘密があって

人間に触れられると、消えてしまう。

 

触れることもできない、何もしてあげられない。

悩んだ彼女は、家を出て行った。

迎えに来た彼は、言った。

「あなたでなきゃだめなんです」

 

「もうこの言葉だけで十分」と思った彼女は

「最後に1度、抱きしめて」と言う。

 

ここで彼は彼女を抱き締める、と私は思った。

でも彼は、伸ばした手を引っ込め

触れずにずっと一緒にいる生き方を選ぶ。

 

涙が溢れた。

溢れた涙は、私へのものでもある。

もし、あゆみも、

どこかの壁の穴からでも飛び出てきたりして

再会できたとしても

触れてはいけない、触れたら消える、

という制限があったら

ものすごくつらい。

 

仮に、大きくなっているあゆみだったら

食べることや

お風呂に入ることや

服を着替えることや

トイレに行くことが

自分でできるから、直に触れなくても、、、、

とも考えたが

やっぱりつらい。

 

涙を拭いてあげたりは、できない。

傷をさすってあげることも、できない。

頭をなでて褒めてあげることも、できない。

 

触れさえしなければ、

会話はできる。

できることは一杯あって

ずっと一緒にいられる。

 

それでも、やっぱり

一番したいことは

抱きしめることなんだ

とわかった。