「悲しい」と「愛しい」が同じ言葉なわけ

2026/09/16

昔、日本語に、「かなし」があって

「いとしい」という意味と、

「悲しい」という意味をもっていた

というところまでは、よく知られている。

私もしょっちゅう言っている。

辞書にも載っているし。

 

でも、なぜ「かなし」に2つの異なる意味を

含むのか? ずっと知りたかった。

 

岡知史氏の論文に、その理由が書かれていた。

答えは、「無力感」。

どちらも、相手に対する無力感なのだ。

 

自分でどうにもならないほど

かなしいのが、現代の悲しい、になり、

自分でもどうにもならないほど深い愛が

現代の愛しい、になったという。

 

「自分でもどうにもならないほど」

が共通でミソ。

 

私たちは両方を知っていて

両方を大事にしてきた。

どうしようもなく愛しいから悲しい。

どうしようもなく悲しいのは愛しいから。