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2008/08/15
姿はなくても
きょうはお墓参りをしたので、久しぶりに夫の実家に行った。 あゆみのことを知っている数少ない身内である義理の姉たちもやって来た。 いきなり「イブのおばけが出るねん!」。 何のことだか分からないが、姉はとても嬉しそうで、自慢げだった。 イブというのは、私が嫁いだ年のクリスマスイブの…
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2008/07/08
お金で買えない物
事の発端は、息子が体育の授業で水着を忘れたことだった。そして、 その補習授業とTOEICの試験時間が重なってしまったことを、 息子は知らなかったと言う。たぶん、上の空で聞いていたのだろう。 このことを私に言ったのは夜の8時になってからで、私は慌てた。 息子はさほど慌てておらず、…
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2008/06/22
モ族の幸せな人々
京大病院「にこにこトマト」機関紙に出した原稿です。 いのちの和と輪 「モ族の幸せな人々」 友人の産婦人科医F子さんは、乳飲み子を含む6人の子もちで、人に幸せを配達することを副業としている人です。 まず、私が6人目の存在を知ったのは、昨日です。 今年もらった年賀状には5人の子ど…
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2008/06/13
私も、だいじょうぶと言ってほしかった
秋葉原で通り魔的な殺傷事件があり 誰もが衝撃を受けたことと思います。 報道の中で知ったことですが、 偶然通りかかった医師が救助にあたったものの 素手では成すすべがなく、打ちひしがれた思いを語っておられました。 そして、重症を負っている女子大生を救急車に送り込むとき 付き添った知…
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2008/05/21
手の内に自分が戻る
ずっと探している言葉がありました。 おそらく、子どもを亡くした人の多くに共通していると思うのですが 子どもが亡くなって、苦しい思いをしているうちに なんだかいろいろなことが起きてきて もっと苦しい状況にのまれていき、そうしているうちに 自分が自分でなくなっていくような焦燥感に駆…
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2008/04/30
アラジンの魔法のランプ
連載していた雑誌の最終回を迎え、夫のことを書いてみました。 この詩は、夫のつぶやきを私が書きとめたものです。 娘が亡くなって3年経った頃でした。 きみのことを考えると 必ず行き着くアラジンのランプ あれがあれば 願いごとを三つかなえてもらえる ひとつ目のお願いは きみが生きてい…
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2008/04/18
人はなぜ生きるのですか?
これは新聞記事のタイトル。 私もこの問いと長く向き合っていたが 明確な答えが分からないまま私の場合、 分からないながらも考えて生きていくそのことに価値があるかな、 というところに帰結していた。 しかしそうはいかない次の文面に衝撃を受けた。 16歳の高校生が朝日新聞に送った投…
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2008/04/08
おやこ入学
二人とも入学です。 誰と誰かというと、私と息子。 先に入学式を迎えたのは私で、 息子の式では別に迷いもしない服装を、自分の式ではちょっと考えてしまった。 かわいい系のワンピースを試着していたら、めいから、 うっそ。それはやめたほうがいい。と言われる始末で。 息子の受験はわけの…
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2008/04/02
このごろ、いつも、うわてです。
冬から春にかけ、わが家はいくつも節目が重なった。 あゆみが亡くなって10年。 兄の中学校卒業。 そして、私のがん治療から丸5年。 子宮がんの克服は、5年(生存率)を目安にする。 きょうがこの関門を通過できるかどうかの定期検診だった。 先週造影剤を入れて撮ったCTの結果をきょ…
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2008/03/24
つらい経験をしたきょうだい
にこにこトマトさんの通信に出した原稿を加筆修正したものです。 突然の病気で娘を亡くし、ちょうど10年が過ぎました。 親にとって山あり谷ありの歳月は、幼いきょうだいにとってどんなものだっただろう… と、常々考えていました。 亡くなった娘には兄がいます。 彼はまだ幼稚園児だった…